聖なる怪物 [読書]
私の愛してやまない不運な泥棒ドートマンダーを主人公にしたシリーズで
有名なドナルド・E・ウェストレイク。
ドートマンダーは笑えるんですが、
この「聖なる怪物」はドートマンダー・シリーズではない作品。
ジャック・パインというハリウッド・スターの
「怪物」の怪しい、いや悲しい、そして怖い話です。
実際、作者のウェストレイクは映画やテレビの脚本も書いているので、
この業界をそばから(内側から)のぞける立場。
そういう意味ではリアリティがあります。
しかし、実際、マイケル・ジャクソンとかブリトニー・スピアーズとか
パリス・ヒルトンとかリンジー・ローハンとか、
見ていてこちらが辛い(痛い)気持ちになるスターはたくさんいます。
なんでなんでしょうね。
富と名声が大きすぎる(なんせハリウッドスターともなると世界のセレブリティ)、
ドラッグが手に入りやすい、
ポリティカリー・コレクトネス要請がきつい・・・から?
意外に最後の要因は大きい気がします。
この主人公、ジャック・パインの悲劇の一因も彼が
スターであることにあるんですよね。
やや落ちが見え気味で、衝撃のラストとまではいきませんでしたが、
終盤のたたみかける勢いはすごかったです。
落ちるところまで落ちるからすごいですよね・・・。ホント、痛々しい。
それだけ競争が激しいのだろうし、ロールモデルとして求められるものも大きいのでしょうね。
by どらっち (2010-06-17 16:34)
そうですよねー。ハリウッド(というかアメリカ?)って、優等生としての期待値がすごく高いような気がするんですよね。やっぱピューリタンなのかなぁ。
by chicory (2010-06-17 18:44)