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ヒッチコック! [映画]


ヒッチコックに進路を取れ

ヒッチコックに進路を取れ

  • 作者: 山田 宏一
  • 出版社/メーカー: 草思社
  • 発売日: 2009/07/22
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)


お正月にこの本を読んで、久しぶりの和田×山田の映画愛にふれて楽しい思いをしました。
このおふたりの本では、「たかが映画じゃないか」(ヒッチコックの名言!)が有名ですが、
この本と和田誠の「お楽しみはこれからだ」は子供のころ愛読していたので、
懐かしくてなりませんでした
(愛読していたと言っても、父が買ってきていたから出合えたんですが)。
子供のころは「映画に詳しい」ってのがどの程度のことなのか分かっていなかったので、
山田宏一と和田誠がものしりだってのは分かっても、それがどのくらい「異常」(笑)なのか
よくわかってなかったんですよね。
しかし、小中学時代に「お楽しみはこれからだ」と「たかが映画じゃないか」を
繰り返し読んだおかげで、私は年齢のわりに映画に詳しい10代だったと思いますw

ちなみに今は私もとっぷり大人になったので、
二人がやたらと映画に詳しい、というか映画への愛にあふれていることは
よーく分かります。

さて、もちろん本題はヒッチコック。
年代を追って作品ごとに語っているので、立派なヒッチコック・クロニクルになっています。
もちろん不入りだったり不評だったりした作品もありますが、
ヒッチコックって非常に打率の安定した監督だと思うんですよね
(関係ないけど、生きてる人ではウディ・アレンも失敗作が少ないと思う)。
その安定した作品づくりの秘密が、なんで彼の映画は面白いのかが、わかります。

自分の見た映画だと、二人の話と思い出を共有できる楽しみもあるし、
見てない映画でさえ、見たくなってきちゃう。

ヒッチコックって、牛乳にライトを入れたり(ほんとか?)、
「めまい」のときの例の不思議なズームだったり、
ワンカットで1本の映画を作ったり、
「映画術」って本ができちゃうくらいテクニックに凝る人でしたが、
テクニック自慢に終わらず(これは意外に難しいような気がする)、
それが映画の完成度のために貢献しているのがすごいところです。

でも、俳優や、撮影や、照明や、タイトルバックの話はたんと出てくるのに、
衣装の話がほとんどないのがやや不満。
「レベッカ」でジョーン・フォンテーンのもっさりしたツイードが
どれだけ彼女のおどおどした性格やいまいち垢抜けなくって美貌の元妻、レベッカと
対照をなしているか、話してほしいー。
「マーニー」でティッピ・ヘドレンのスケート丈が彼女の脚をどれだけ
セクシーに見せているも(でも反面彼女は・・・)。
ヒッチお気に入りの衣装担当イディス・ヘッドがほとんど出てこないなんて寂しいです。

ヒッチお気に入りと言えば、グレース・ケリーについて
すべて彼女で映画をつくりたかった」と言ったとか言わなかったとかいう記述も。
確かにヒッチコック好みの端正な美貌、金髪、上品、スマートを具現化していた美女。
ほかにもグレゴリー・ペックはあんまり好きじゃなかったらしいとか、
なるほどねーと興味深い情報多数。
映画も面白いけど、本も楽しめます。


お楽しみはこれからだ―映画の名セリフ

お楽しみはこれからだ―映画の名セリフ

  • 作者: 和田 誠
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 1975/01
  • メディア: 単行本


たかが映画じゃないか (1978年)

たかが映画じゃないか (1978年)

  • 作者: 山田 宏一
  • 出版社/メーカー: 文芸春秋
  • 発売日: 1978/12
  • メディア: -


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コメント 3

ミホ

ヒッチコック作品は父が好きで、わたしも子供の頃から良く見ました。監督ご本人がちらっと映画に映ったりして、怖いだけじゃなくユーモアもあって楽しいですよね。女優陣がホントに綺麗なのも楽しみの1つですねぇ。
紹介されてるご本も面白そう~。本を読むと、また映画が見たくなりそうです!
by ミホ (2010-01-12 22:52) 

snorita

ワタシもこの人たちの本はいくつかよみました。
蓮見さんより平易で読みやすいですしね(笑)、それに愛情深い。
でも、蓮見さんも好きなんですけど....
by snorita (2010-01-13 10:58) 

chicory

★ミホさん、こんにちは。
女優さん、ほんとにきれいですよねー。
本人登場シーンも見るたびに楽しみです。でも、分かりやすいときと、ぼーっと見てるとわからないときもあって・・・。ちなみにこの本では、どこに監督が出てくるかも、言及されています。
和田さんのイラストも楽しいので、本も面白いですよ。

★snoritaさん、こんにちは。
二人とも映画好きなんだなーとよく分かりますよね。
蓮見さんは、分かりやすいものでも
難しく言うのがお得意なんですよね(笑)。
by chicory (2010-01-13 13:37) 

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