人生は死ぬまでの暇つぶし [読書]
今日はあったかかったですねー。
桜も満開。
やらなきゃならないことは、仏検の勉強やらお仕事やら、
いろいろあるわけですが、エスケープの読書。
一日でちょろっと読めてしまう分量だったので、エスケープ読書には最適です。
江戸時代を舞台にした永井路子の短編集。
短編集といっても、6つの作品にはすべて1人の男が登場し、
語り手は彼の近くにいる別々の女性。
こういうのは、連作というんでしょうか、ロンド形式というんでしょうか。
この男は、波瀾万丈の人生を送るわけですが、
世俗の成功に恵まれることもないし(と言うかはっきり失敗か)、
家庭にも仕事にも定まったものがなく、一人で死んでいきます。
単に運に恵まれなかったわけでなく、
そうなるべくしてそうなったところが、なにかよけい辛い。
しかし、終盤になるにつれ、性格の角がとれ、
人生を投げてるわけじゃないけど、生きていることを
「死ぬまでの暇つぶし」と、ある種の達観の風情が出ております。
うーん。生きるってのは、なかなか難しいことです。
タグ:永井路子
2009-04-08 02:15
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コメント(2)
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奥が深いです。
「死ぬまでの暇つぶし」とは・・・。
小説の中の人であっても、時に感情が入り過ぎてしまって抜けられなくなることがあり、この男性も私にとってのそんなタイプの様な気がします。読む年齢でもまた情感が違うのでしょうね。ぜひ読んでみたいと思います。
by はちゃぷ (2009-04-08 13:10)
ちょっと行き詰っているときに「どうせ暇つぶし」と思ってみると、気が抜けていいような気がします。
この男性も、ただ運命に翻弄されているだけじゃなくて、自ら悪い循環に入って行ってしまったようなところもあるんです。でも、そんなに悪い人生ではなかったんじゃないかなぁと思います。
by chicory (2009-04-08 19:19)