10代にしてこの貫禄 [映画]
溝口健二の「祇園の姉妹」。
いわゆる名作ですが、今回初めて見ました。
驚きました。 山田五十鈴に。
当時、18歳か19歳。
確かに、後年と比べるとほっそりしていて若々しいですが、
初々しいとか、少女っぽいなんてことは微塵もありません。
貫禄・風格・落ち着き。
主演女優として肝が据わりまくっています。
こんな十代、見たことない!
祇園の芸妓姉妹(山田五十鈴は妹)が
男や世間に翻弄され・・・といった
ありがちな(すみません)ストーリー。
非常にテンポよく進むのが現代的な感じがします。
戦前の映画なので(二二六事件の年らしい・・・)、
画面がやや荒れていますが、
それを補ってあまりある山田五十鈴の存在感です。
五十鈴は、
すでにこのとき結婚して子供もいた(嵯峨美智子ですね)とか。
夫は五十鈴に家庭に入ってもらいたかったらしいですが、
こんな達者な「仕事」をする人が、唯々諾々と家庭におさまるなんて
ありえないでしょう。
黒澤の「蜘蛛の巣城」や「用心棒」でも
山田五十鈴と書いて「えげつない」と読むというくらいの
迫力でしたが、既にもうこのころから貫禄たっぷりでした。
今だと沢尻エリカが生意気だとか言われてますが、
すごみが違います。
比べちゃいけないのかな。
溝口健二って、
なぜか海外(フランスだけ?)で評価高いですよね。
女性心理を描くことにたけているとよく言われますが、
うーん、どうなのかな、その目線はあまり温かくはない気がします。
渋い映画観てますねえw
それと、山田五十鈴と書いて「えげつない」と読む、には感動しました!
うわー観てみたい!
by ken (2008-04-29 19:46)
えげつない山田五十鈴さんですが(笑)、
おきれいではありました。
きれいさを上回る何かがあるんですけどw
by chicory (2008-04-30 09:18)