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日本のうつくしいもの [読書]


ぼくの美術帖 (大人の本棚)

ぼくの美術帖 (大人の本棚)

  • 作者: 原田 治
  • 出版社/メーカー: みすず書房
  • 発売日: 2006/04
  • メディア: 単行本


以前、美大出の友人とルネサンスの話をしていて、「ショーシツテン」という言葉が・・・。
そのとき初めて「消失点」を知った私。友人には思い切りばかにされた当時すでに30歳の私でした。

美術史が盲点の私は、こんな本にもっと早く、
10代のころに出会っていればよかったのにと思います
(初版本は別の出版社で82年)。
オサムグッズで有名な原田治さんが、好きな美術を縦横無尽に語っています。
美術初心者には素敵なガイド本になります。

冒頭がティツィアーノ、デュフィ。美術盲点の私ですが、この二人は別格として好きなので、
このラインアップで舞い上がってしまします。
ダヴィンチでもミケランジェロでもラファエロでもなくティツィアーノなのがうれしい。
ティツィアーノ、かっこいいんですよね。

しかしこの本で読むべきところは、後半の日本美術について。
日本美術の正系としての縄文文化を語っています。
渡来系(まーこれもずいぶん和風味にはなっているんだとは思うんですが)が大事にされる
日本の中で、美術家の目で(歴史家でなく)縄文を語っているのが
説得力があると思います。
非常に力の入った文章です。
縄文時代についてはなかなか良い本に巡りあえていませんでしたが、
美術方面にこんないい本があったとは。

そして縄文的美意識をつぐ江戸期の絵画。
特に俵屋宗達! うっとりするかっこよさ。
去年、国立博物館で琳派展がありましたが、いやーかっこいい。
時間切れでミュージアムショップに行けなかったのが悔やまれます
(おかげで家には今年のカレンダーがない!)。
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コメント 4

castanha

私も高校時代、オサムグッツ集めてましたよ~。
ミスドの景品も集めてた。
原田治さん。。。漢字で書くとシュールですな。
by castanha (2009-01-04 00:21) 

chicory

osamu haradaも漢字で書くとなんかちょっと違う感じですね。
しかし、なかなか感覚のスルドイ方なんだなと
改めて敬服しました。。。
by chicory (2009-01-05 01:02) 

ミホ

日本美術にかーなーりー疎いので、興味があります。俵屋宗達もお名前だけは知っていても、作品をきちんと見たことないですし・・・。そういうのって、日本人なのに、ちょっと寂しいですよね。初心者でも大丈夫そうな本ですか?今度読んでみようかな。
by ミホ (2009-01-06 13:47) 

chicory

意外に日本美術って、見る機会が少ないかもしれませんねー。
この本は、すごく優しい調子ですが、ちょいと図版が少なく、あってもモノクロなのでそこがちょっと残念な気がします。機会があればぜひ、です。
by chicory (2009-01-07 11:28) 

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