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橋本治の平家物語 [読書]


双調平家物語 15 源氏の巻(承前)・落日の巻・灌頂の巻 (15)

双調平家物語 15 源氏の巻(承前)・落日の巻・灌頂の巻 (15)

  • 作者: 橋本 治
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 単行本


長かった。
橋本治の手になる「平家物語」、15巻目となる最後の1冊をやっと読み終わりました。
ソフトカバーといえども500ページ超。
2,3日前に体調を崩してベッドで読みましたが、持ち上げるのが重い・・・というほどのボリューム。

それもそのはず、平家物語なのに1巻目はほとんど中国の話に終始。
「祇園精舎の鐘の声」の平家物語を中国から始めるのが橋本治
武則天、楊貴妃など帝に后を送り、外戚となって一門を栄えさせる手法は中国にあったわけです。
そして、中国が終わったら平氏かというと、そう話は甘くない。
日本で外戚として威をふるった先達、蘇我氏の話が続きます。
さらに蘇我氏をほろぼした中臣鎌足を祖として、外戚メソッドを継承した藤原氏
そして、ようやくちらほら清盛が出てきますが、
延々とつづく続く王朝の権力争いのくだくだしいこと。
そういうことをずーーーっと描写しているので、15巻にも及んでしまうんですね。

14巻目にしてようやく源頼朝が立ったもののあっけなく敗れ、
15巻目では頼朝再起→とんとん拍子に大軍に。
それから富士川の戦いを経て、いわゆる平家物語の見せ場、
戦いの場面はすべてこの15巻に集約されています。

皇統、摂関家、平家、源氏、おびただしい登場人物が
ほとんどすべて敗れ去っていく話です。
国の頂点にある人々は国家運営ではなく、権力争いをいろんなバリエーションを
見せながら行っておりました。
こうやって日本の王朝は終わって行ったわけですが、
「国」という形ははたしてあったのか、なかったのか。

橋本治による色づけが盛んなので、初めて平家物語に触れる人には
お勧めしづらいですが、まぁ、スタンダードな平家物語を読もう(知ろう)として、
いきなりこんな大部全15巻は手に取りませんね。

しかし、ベタな泣かせに走らないこの「双調平家物語」でも
義仲最期の場面は泣かせました。
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