白洲正子の時間とお金 [読書]
- 作者: 白洲 正子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1984/12
- メディア: 文庫
手仕事の厳しさや美しさ、かっこよさ、楽しさにあふれた本。
白洲正子が、職人を訪ねてルポしています。
飾っているだけ・・・というより、
扇、陶器、木工など日常に使うものが多く、
白洲さん自ら使って、「日用品」としての
美しさ、使いやすさも語られています。
作家でななくて職人、作品ではなくて商品あるいは品物。
中には私にも使えるようなもの（上原勇七の印伝や、福森さんの土鍋、
市原商店の箸など）もあります。
職人さんと言うのは、かっこいいものですが、
中でも放浪癖のある扇職人の中村清兄さん。
以下引用。
「しょせん扇は遊びである。冷房の完備した今日では、何の役にも立ちはしない。略。
気が向かなければ仕事をせず、実生活でも、学問の上でも、放浪をつづけている人物を、私は見事だと思う。同時に辛いことでもあると思う。が、辛さのともなわないあそびなんて、あそびのうちに入るであろうか」
穴太衆の石積みも興味深い話でした。
こういう職人の仕事があって、日本の美しさがあるのは、
もちろんですが、
使う私たちがいてこその商品でもあるわけです。
よいものを選んで、きちんと使いたいものです。
白洲さんって、財力と余暇を伝統技術の「買い手」や「使い手」に
なり、それを紹介もしていました。
これもある意味でノーブレス・オブリージュなのかもしれません。
タグ：白州正子
>実生活でも、学問の上でも、放浪をつづけている人物....
いいですねえ。自分もこうありたいなあと思うんだけど、ついつい、些末なことや俗っぽいことにに走っちゃうんだよね。
「たくみ」はいい言葉ですね。私も本屋さんでこの本、探してみます。
by snorita (2009-02-24 07:12)
職人さんたちが作った伝統工芸の品々って、もったいなくて使えないイメージがありますが、本当は、使わないほうがよっぽどもったいないんですよね。使ってこそ、ものが生きるんですよね（＾＾）
白洲さんの本は「かくれ里」のほかはムック本ばかり読んでて、多くの著書の中からどれを選んで読んでいいかわからない状態の私なのですが、この本はぜひ読んでみたいと思いました♪
28日からは、次郎さんのドラマも始まるし、楽しみです（＾＾）♪
by tanuki (2009-02-24 08:13)
白洲正子さんは、ほんとにカッコいい女性ですよね。
工芸品は美術品ではなく、使わないといけないんですよね。わたしもこの本買ってみようかな・・・と思います。 あー、でも欲しいものがドンドン増えそう（笑）。
by ミホ (2009-02-24 11:49)
伝統工芸品は持っていても、なかなか使う機会がありませんよね……。日常で使いこなしている人はすごいなーと思います。私もこの本を読んで勉強しないといけないです……。
by はるちー (2009-02-24 23:37)
☆snoritaさん、こんにちは。
放浪するのはとてもしんどそうで、小さくても安定を求めてしまう私ですが、
やっぱりこういう生き方に対する憧れのようなものがありますねぇ。
この本、表紙もきれいですね。
☆tanukiさん、こんにちは。
そういえば、白洲次郎のドラマがあるんですよね。
中谷さんは、なんとなく顔立ちが似てるような気がします。
毎日使う日用品こそ、自分が納得して選んだいいものを使うようにしたいなぁと思っていますが、金額的に折り合わないことが多いですｗ。
☆ミホさん、こんにちは。
時代なのか、取り上げられている職人さんのせいなのか、ものづくりの世界って、厳しいなぁと思います。今も、雑貨屋さんには、作家ものの作品がたくさんありますが、こういう厳しさはあまりないような。
しかし、ほんとに欲しいものが増えてしまいます。
☆はるちーさん、こんにちは。
黄楊の櫛とか印伝とか、母の世代までは違ったんでしょうが、使わなくなってしまったものも多いですよね。そもそも和服も着ませんし。台所用品くらいでしょうか、生き残れるのは。職人さん、どうなっていくんだろう・・・。
by chicory (2009-02-25 02:05)