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愛おしい小泥棒 [読書]


現代短篇の名手たち3 泥棒が1ダース (ハヤカワ・ミステリ文庫)

現代短篇の名手たち3 泥棒が1ダース (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 作者: ドナルド・E・ウェストレイク
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2009/08/21
  • メディア: 文庫


私の愛する泥棒、ドートマンダーが活躍する短編集。
1ダース分、おさめられています。
ドートマンダーは、はしこい頭脳とひらめきと分別があるのに、
なぜか不運に見舞われるのです。しかも毎回、
思ってもいない方向から。
あるいは当然考えられるような方向からも。
不運はなぜか連鎖し、さらなる不運を呼び、
最初の目的は既に失われ、わやくちゃになるのです。

例えば、銀行強盗に入ったらすでに別の銀行強盗がいて、
やむなく人質に自分を警察の救出部隊と偽っていたら、
当然のことながら本物の警察が来て、
でも先着の強盗はまだ居て。。。なんていう。

どの短編もふふっと笑えること間違いありません。

ニューヨークを舞台にしてますが、
てんでおしゃれでないところもドートマンダーらしくて良いです。

いやほんと、短編のお手本のような12編。

ドートマンダーが業務遂行中に名前を聞かれる場合、
多くの泥棒はジェームズ・ボンドとは違うので、
堂々と本名を名乗るものではありません。
なぜかとっさに彼が名乗ってしまう名前は
「ディダムズ」。
日本人たる私にはピンとこないんですが、相当変わった名前らしく、
だいたい「は?」と聞き返され、先祖がウェールズ出身でうんぬんというような
余計な説明をせざるを得なくなるのです。
そこで精力を使い果たしたドートマンダーは、
続けてファーストネームを聞かれて
つい本当の名前「ジョン」を告げてしまうあたり素晴らしいですw

ウェストレイクにはまだ未訳のものもあるので、
続けて訳出されることを願ってます。
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コメント 4

castanha

おおっ、ブログ2部構成になったんですね。
放置激しい私とはえらい違いだわ(^^ゞ

短編だったら読みやすいかしら?
この作品は、もちろん知りませんでしたが、表紙が素敵ですね(*^^)v

バンビかわゆす!
by castanha (2010-06-09 20:33) 

chicory

バンビ、かわいーでしょー。
動物の子どもには目がない私です。

ブログ、2部構成にしたものの、さぼりがちで・・・。
ちょっとなんとかせんといかんですな。

ちなみにこれ、短編なので、読みやすいですよ。
短編集のシリーズものみたいで他の作家のものもあるようです。
by chicory (2010-06-11 00:34) 

どらっち

短編はいいですねぇ。細切れの時間しかない(ような気がする)ので
ちょうどいいかも。おもしろそうだなぁ。
by どらっち (2010-06-17 17:24) 

chicory

ピリッとわさびがきいた小気味よさがありますですよ。確かに、細切れ時間しかない方には向いているかも。
by chicory (2010-06-17 18:40) 

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