永井路子 [読書]
王朝序曲―誰か言う「千家花ならぬはなし」と〈上〉 (角川文庫)
- 作者: 永井 路子
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 1997/02
- メディア: 文庫
主人公は藤原冬嗣。
歴史小説の主人公にするには地味すぎるくらいに地味。
平安時代初期はなかなか小説の題材にも上りにくいので、
そういう意味でも地味。
でも、冬嗣さん、藤原家の中で最も栄えた藤原北家の栄えのもとになった
実はやり手なのでございます。
もちろん娘は天皇の女御にして、孫は天皇という
黄金のパターンを踏んでいます。
永井路子による、地味なやり手冬嗣のクローズアップを
読みたかったんですが、
うーむ。なんというか、小説としてはどうなんでしょうね。
確かに冬嗣は地味ですが、
薬子の変(娘の入内について行った母、薬子がなぜだか、
愛妾になっちゃうという不可思議)などなど派手なトピックは
いろいろあったんですよね。この時代。
永井さんは、一次資料にきっちり目を通されるらしいし(すごい!)、
歴史そのものを見る目が鋭いし、
歴史エッセイは断然面白いと思うんですが。
この方向で新作を出してくれたらいいのになぁ。
この本、ずいぶんロングセラーだと思います。
なんせ私、中学生くらいのころ読んだような覚えがあるのでw
2009-07-01 13:26
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コメント(4)
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歴史に疎いので、エッセイだと読みやすいのかも~と思いました。それにしても、いつも色んな本を読んでらっしゃいますね。勉強になります♪
by ミホ (2009-07-01 23:06)
読書はもっと新規開拓したいんですが、どうしても既読作家になりがちです。。
永井路子の場合は、エッセイのほうが断然よいと思います。ロングセラーになるには理由があるなぁと思いました。
by chicory (2009-07-02 00:36)
歴史って勉強するとものすごく面白いことがいっぱいありそうな気はずっとしているのですが、私かなり疎い方でございます…。
「歴史をさわがせた女たち」が話題になったことは覚えています。その時に読んだのかどうかは微妙に覚えていませんが(大汗)。クラシック音楽バージョンでも似たようなタイトルの本があるので、まざっているのかもしれません。
by うさ (2009-07-02 08:41)
「お勉強感」が入るとなんとなく面白くなくなってしまうかもしれませんねー。
この本、話題になってたんですかー。たぶん小学生か中学生のころに地元の書店で買ったので、あんまり分かってませんでした。確か、北政所とか作者お得意の北条政子とかが載っていたような覚えがあります。
by chicory (2009-07-02 16:18)