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安原顕時代のマリ・クレール [読書]


美しい夏の行方―イタリア、シチリアの旅 (中公文庫)

美しい夏の行方―イタリア、シチリアの旅 (中公文庫)

  • 作者: 辻 邦生
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 1999/07
  • メディア: 文庫


辻邦生のイタリア紀行記。
もう、手放しでイタリアの旅を喜び、楽しんでいます。
建物に、歴史に、空気に感動しています。
紀行文というより、作家の歓喜とイタリアに対する愛を
読むべきなんでしょう。
ローマやフィレンツェやシシリアが生き生きとしています。
本の中で小さなイタリア旅行ができるようです。

著者のあとがきはこんな風。
「こんどのイタリアの旅で、ぼくは初めて素直に‘旅の喜び’のなかに自分を解き放つことが
できたような気がする。大好きなイタリアが最大限の幸福をぼくに贈ってくれ、
ぼくはそれを両手を拡げて受けとることができた」

これは、80年代後半の「マリ・クレール」に掲載されたもので、
当時、学生だった私も読んでいたもの。
たぶん、家のどこかにその「マリ・クレール」があるはずです。
当時の私にとってはイタリアは行ったこともなく、とてもとても遠い場所でしたが、
この特集によってサンタ・マリア・デル・フィオーレやヴィラ・アドリアーナや
長々しいカタカナ名前が忘れられなくなるのです。

このころの「マリ・クレール」は安原顕が編集長だか副編集長だかを
やっていて、ファッション誌ではなく明らかに変種の文芸誌でした。
女子が買う「文芸誌」としては非常に手の出しやすいカタチで、
ファッションや美容記事に関しては不満がありましたが、
ブックガイドやミュージックガイドとしては、
若かった私にはとてもいい「先生」でした。
今は「マリ・クレール」もフツーの女性誌になり(本来の姿になった)、
版元も変わりました。
当時の版元の中央公論社も経営が変わりました。

ちょっと話がずれてきたので、辻邦生の本に戻ります。
あのころと違ってすでに何回かイタリアを経験してしまった今になっても、
またイタリアに行きたくなるような、
「若さ」を感じさせるいい本だと思います。
いろいろと事情があって、ちょっと旅行はできませんが、
せめてこういう本で仮想旅を楽しもうと思います。
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